hedge1-2-3 金融の光と闇の中で、人間の光を見た。

 

なんかもう、またすごい舞台を見てしまった。

担当が、金融がテーマの作品に出るらしいと発表されて、「へ~そうなのムズそ~」くらいの感じでヘラヘラ見に行ったのに、初日観劇後は「やべえすごい…なんだこれは…」て呆然としながら帰った。のは、2幕の「insider」の終わりがあまりにもな幕切れだったからかもしれない。

hedge/insiderは3回、trustは4回見たけど、2桁回数見てないとわりと記憶が薄いかもしれない…と思いつつ感想を書きます。たぶん時系列ぐちゃぐちゃになる。

 

まず、客席に入った瞬間から衝撃的だった。セットすごい。なんかドアいっぱいある。金融の話でなんでこんなにドアいっぱいあんの???と思ったけど、そこから次々と人が出入りする演出圧巻だったな…。基本的には同じドアから同じ人が出入りしてるのかな?と思ったんだけど、正確にはどうだったんだろう。そこまで確認しきれなかった。それにしても、あのドアを使ったシーン転換神演出すぎないか??演者がセットを動かすところも含めて、というか、ただ動かすだけじゃなくてカッコよく入り乱れながら動かしてるの、それだけでワクワクした。結構導線複雑で、少しでもズレるとぶつかってしまいそうなのに絶妙なタイミングで人が交差していって、団体行動の上位互換みたいな。insiderで、木琴?の音に合わせてテーブルトントコ楽しそうに叩いてる旗本さんが一番好きだったwあと、そこ通せるの?!てタイミングでイスを滑らせていくところ。転換だけでもずっと見てたいくらい楽しかった~場面転換で元とれる舞台ってほかになくない??

 

 

本題。

 

①hedge

 

マチュリティーパートナーズがバイアウトファンドを作って企業を再生していく話。

前職が金融関係の末端みたいな仕事だった私なので微妙に知識はあるはずだったけど、(株とか投資の仕組みはわかるくらいのレベル)バイアウト????ってもちろんなるわけで。でもめちゃくちゃわかりやすく説明してくれたのでほぼわかった。余談だけど、初日の原嘉孝の説明パート、なんか浮いてんなあ「こういう役!!」っていう役じゃないのは苦手なんだな~て思ったけど、次に見たときはバチッとはまってたから、相変わらず修正力がすごいんだなと思った。

オープニング、めちゃくちゃかっこいい!!!!!!私服の男たちが一斉に服を脱ぎ、スーツに着替えていくのがまた圧巻。音楽も超かっこいい。一斉にジャケット羽織るところ気持ちよすぎた~ストーリーの始まりを「着替える」ことであんなにわかりやすく表現してるのすごいし、スーツに着替えて仕事を始める男のカッコよさ、みたいな雰囲気も最高だった…。初日はただただかっこいいものとして見てたけど、2日目以降、役柄がわかった上で最初の私服姿を見るのもまたおもしろかった。大好き国分さんの輩みたいなシャツよかったなあw

 

あと、見どころと言えば原P岡Pシンメのダンスタイムだよね!!!!!ほんとここ激アツ案件すぎた。

ameblo.jp

原P岡Pの詳細(詳細?)についてはこちらをどうぞ。

 

あと、特筆すべきは吉田栄作さんのスタイルなんだけど…歌パートのときに途中でクソデカマイクスタンドが出てきて、なんだこれは?!?!と思ったら見たこともないクソデカマイクスタンドにピッタリサイズの栄作さん出てきて度肝抜かれたしめちゃくちゃ面白かった。脚2メートルやんけ。昭和生まれの俳優と平成生まれのアイドルがスタイル真逆なのめっちゃバグだった。よしたか顔大きい!愛しい!(好き)

 

演出の詩森ろばさんは登場人物を関係性で描いていく、みたいな話をパンフレットの中でしていたけど、その関係性が説明なしにすごくわかりやすくて、こういうことかー!っていう。特に谷川→加治さんが…何があったかとか過去の関わりとかまったく見えてないのに、具体的なことがなくてもどれだけ繋がり(というか谷川くんの加治さんへの思い?)が深いのがわかって。谷川悠太郎という人物が加治さんなしにはありえないこととか、だからこそインサイダーがあってからのtrustでの変化があるんだなってことへの説得力とか、茂木さんとの関わりの中で片桐さんの人間性がどんどん見えてくるところとか、ウワーおもしろい!!!ってなった。自分は誰にも似ていないのに、誰に肩入れしても楽しめる。元々見えない部分の設定とか勝手に考えるの大好きなタイプだから、見えないけど1人1人に膨大で緻密な設定があるだろうことがそれだけでワクワクが止まらなくなる…!

 

谷川悠太郎(@原嘉孝)について。

コンサル会社で史上最年少マネージャーやりながら社内制度利用してシカゴ大学の学生やりつつ、夏休みにインターンでマチュリティーに入ってきたすごい人。どんだけすごいのかよくわからんけど多分ものすごいんだと思う。とかいう雑なことしか書けないくらいのエリート。エリートなのに一見エリート感がなくて、人懐っこくて周りを巻き込む人たらし。っていう印象。とりあえず顔がめちゃくちゃかわいい。(私情)

カイトでの城嶋さん、野々村さんとの製造チーム3人のやりとりがすごい好きだった!谷川くんはバリバリエリートコンサルだからきっとなんの計算もなしに働きかけをしてるわけではなかったはずだけど、それが純粋に見える、純粋であってほしい、と見ていて思えるようなキャラクターで。その純粋に見える部分に城嶋さんがどんどん感化されて仕事をしていくところとか、野々村さんの製造という会社の根幹を担う誇りとか、そういうのがすごく見える3人の関係があんな短い時間で見えたのがよかった。クレーン自前で買っちゃうとこほんとかわいかったなあwwあの社内報ほしい。

 

国分哲也(@酒巻誉洋)について。

「聞き取りの名手」っていうだけで超かっこよくない?!?!?!?!淡々と理論的に仕事をしていくタイプに見えて、「若手をハンドリングとか、社長を育てるとか、そういうのどうなんでしょう」っていうちゃんと人を大事にするところもかっこいい。細かいフォローとか、かゆいところに手が届くタイプの人。魂の国籍がアメリカ人になってない、っていう言葉がものすごくしっくりくる、いわゆる平凡な日本人からしたら一番理想的な社会人というか。国分さんかっこいい><ってなってたけど、まさかの高校生と中学生の子を持つ二児の父だった。失恋。っていうか国分さんいくつの設定だったの???w

 

片桐章介(@佐野功)について。

数字は嘘つかない!分析命!人間関係?作るの苦手だけどプロだからまあちゃんとやりますよ。っていう一歩引いた冷たい感じの人かと思ってた!のに!してやられた感。完全に裏をかかれた…。本当は誰よりも人間味のある、だからこそそれが弱味にならないように一歩引いて常に客観視することに努めているタイプの人だった…ずるい。

 

 

コンサルって実際なんなの?企業再生とは?って見る前にたくさん疑問があったけど、企業買収へのあんまりよくないイメージもあったけど、そこにはちゃんと志があって、前向きに仕事をする人たちを素直に前向きに受け止められるようなストーリーでした。企業経営って大変なんだな…と世の中のあらゆる企業に思いを馳せたわ…社会というものを何もわかっていなかった。お恥ずかしい。自分の今の仕事に対してもそうだし、仕事で関わる相手に対しても、もっともっといろんな関わりができそうだな~って思えた!惰性で仕事しちゃいかんね…っていう反省が全面に押し出されてしまった。がんばろ。

 

で、明るく前向きに進んでいけそうだったのに!!!!!!!

 

 

 

 

②insider

 

一幕終わりに証券取引委員会(証取委)が入ってきて、ガラッと空気が一変。二幕はとにかく終始緊迫感がすごかった…。

一幕の㈱カイトは無事にexitして株を会社本体に戻せてめでたしめでたし。なんだけど、その後マチュリティーがインサイダー疑惑で証取委に踏み込まれて、流れが変わっていく。

カイトの社員を演じてた人たちが今度は証取委になってやってきたけど、演じ分けすげえ。違いすぎ。特に、気のいいおじさんだった山元さんが、笑顔が逆に怖い辰己さんになってたのほんと…恐ろしすぎんか…。声がまず全然違うんだけど。俳優ってすげえ。

時々時間軸を戻しながら証取委からの聞き取りを挟んで、徐々に真実に迫っていく展開が、正に「息をのむ」って表現がぴったりで、多分何回か息するの忘れた。茂木さんはほんとさすがなんだよな~金融界で修羅場くぐりまくってきた感。それをあの佇まいと雰囲気だけで説得力をもたせる吉田栄作さんのすごさよ…。

横領とかインサイダーとか情報漏洩で逮捕される人たまにニュースで見るけど、絶対ばれるのになんでそんなことしちゃうん???て思ってだけど、なんかそれそのまんまだった。加治さんなんでそんなことしちゃったん???でしかなかった。理想をもつことや仕事に誇りをもつことと、足を踏み外してしまうことは全く別物なんだなあ。悲しい。業務時間外にたくさんお金使って人望を得るってそれなりにお金持ってて立場のある人はまあやりがちなのかもだけど、それが自分の首を絞める結果になってしまうって、あまりに切ない。業後いつもおやつ買ってくれた課長ありがとう…の気持ち…あのおやつくらいなら多分お金足りなくなってないよね課長…わりと日々買ってくれてたけど…。

でも正直、いろんなプレッシャーに押し潰されそうになって、普段の自分像からは考えられないようなことをして快感を得る気持ち、はちょっとだけわかる。その行為の大小はまああるんだけど。わからなくもないから、余計に辛かったな。で、加治さんが茂木さんに連れられて出ていったあとの、谷川くんの顔よ。そのあとの、井戸田さんが冷静に業務連絡して、加治さんについて全くどうこう言わなくて、それで全部を察しなきゃいけなくて、切り替えて顔を上げたときの表情。震えた声で片桐さんに引き継ぎを申し出て、なんとか普段通りにこなそうとする痛々しさ。あの張り付いたみたいな表情がめっっっっっちゃくちゃよくて、苦しくて、それがtrustまで深く残る傷になったことが痛いくらいわかった。悠太郎~~~負けるな~~~~~って心の中で励ましまくったけど、終わり方がもう、人のこと励ましてる場合じゃなかった。明日10時に証取委、必ず行きます、の時点であれこれ死ぬな??ってちゃんと覚悟してたはずなのに、実際死んだってわかったらもう心折れた。しかもそこで終わる。どんな気持ちで拍手したらいいのかわからんすぎた。つらい。ピアノの音で余計しんどくなった。音楽の効果スゲー!と思ってたけどあまりにも効果的すぎる。思い出すだけでつらい。

 

 

 

 ③trust

 

オープニングどうなるの?と思っていたら、まさかの女性陣も舞台上生着替え。ひっくり返りそうだった。天才。でも男性陣の着替えはなんとも思わなかったのに女性陣の着替えはちょっとどこ見ていいかわかんない、てなったのはこれもジェンダーギャップなのでしょうか。それにしてもみなさんスタイルがいい…締まったウエスト…

 

trustは信用回復がテーマ。そこに、フェアトレードコーヒーの会社を立ち上げるストーリーを絡めてのジェンダーギャップに対することも絡んできて。正直、大手商社を辞めて起業するバリキャリ女性たちの働く様はあんまり共感できる部分がなくて。(自分にその要素がなさすぎる)でもなんか、「女が働くこと自体アンフェアトレードみたいなもの」っていうのは結構刺さった…私は独身だからあんまり当事者意識を感じたことないけど、結婚するしない、出産するしない、はほんと働いていく上で難しいことなんだなというのはうっすらわかるし、「結局仕事では男並みを求めるって自分自身を認めてないってことなんじゃ」っていうのも確かになあと頷けた。ああやって言語化してもらうことで、普段考えたこともない当たり前のように感じていることに対して疑問をもつ、っていうことができた点でもすごくよかったな。あと「変わった人が変わったことしてるって思われるだけ」っていうのも。やっぱり大きく動かす、っていうのはそれなりにネームバリュー的というか社会への影響も大きいから、そこを目指したいっていうのもわかるし。私はコーヒー飲めないからフェアトレードコーヒーにはちょっと関われないんだけど、そこら中にアンフェアトレードが広がっているっていう事実を認識できたから、それだけでも意義がある内容だった。なーんも知らなかったわ…ただ与えられるものを当たり前に受け取り続けるだけの無知は恐ろしい…。

 

で、谷川くんなんですけど。最初に出てきた時点で、経過年数を感じる佇まいになっていてたまげたわ…ドア開けて立ってるだけでそれがわかるのすごすぎん?!頭抱えた。もう「期待の新人」感はなくて、「若手のエース」くらいになってる。バイアウト先のPHS会社ナイスコールは、ウィルコム世代にとってはなんかわかるなあってなって結構入り込みやすかった。若干29歳にして20も上の人たちと対等に渡り合ってるし、同い年の若手をまたあの純粋な雰囲気でナチュラルに焚きつけていく感じ、好き。最初の会議でなんの意見も言えなかった橘さんが、遠回しに「なんの意見ももたない役立たず」って言われてショック受けてるのを、さりげなく見てるところとか超谷川!!!!こういうちょっとした目線とかでキャラクターに説得力もたせるの天才なんだよな…。一転して情報漏洩が判明したときの判断の速さや冷静さは、優秀だからっていうのももちろんあるんだけど、インサイダーを経験しているという弱みからくるものでもあるんだよなあと思うとしんどい。普段明るく仕事こなしてる分、こういうときも「動揺を表に出さないように努めている」表現がすごすぎる。どうやったらあんな微妙でリアルな表情出せるんだろとも思うが、それが演じるってことだろって言われたらまあそうなんだけど、あのリアルさを同じ時間軸で体験しているかのような気にさせられるのすごいなって毎回思ってた。そしてそのあとの国分さんから市村さんへのフォローが天才。国分さん好き。(告白)

 

あと、trustの好きなところの一つに、片桐さんの変化があって。変化っていうと違うのかな、本来の人間味がぐいぐい前に出てくるようになったところっていうか。hedgeで見た、情に引っ張られやすいから一歩引いて客観視するようにしてる、っていう部分がここでより確定的になるから、もう1回hedge見たときの片桐さんへの見方が変わってとてもよかった。自分が本当にやりたいことはなんなのか、フェアコピみたいな社会を変える会社を支える仕事がしたい、ってフェアコピの人たちと関わる中でどんどん確信していく様が超かっこよくて、しかもそれを今までの自分となんら変わりませんけど?みたいな語り口で話すのツンデレキャラみたいで愛しさ爆発するw遠田さんとの関わりが大きかったのかな、ドイトンプロジェクトの話をするシーンすごい好きだった。

 

そして、谷川くんが記者の日野沢と話すシーンやばかった。日野沢を加治さんと見間違えるっていうだけでもう苦しいのに、投資にはまってお金が必要だから、っていう理由で密会記事買い取らせにくるってほんとクソみたいだけど、それが加治さんがインサイダーしたことと全然レベル変わらなくてめちゃくちゃきつかった…。最初は仕事モードで敬語で話してるのに、だんだん怒りが滲み出てタメ口になるところとか、笑顔で静かにキレてるところとか、多分加治さんのことが頭に過る部分もあるっていうか、いろんな感情ゴチャゴチャになってるのに、それでも冷静に自分優位に話を進めようとする仕事人間の部分も見えて、感情爆発させられないもどかしさみたいなものも感じて、もうすごい苦しくてつらかった。一文が長い。怒りだけじゃない、悲しさとか、闇の人間への理解できなさとか、でもこの人を全否定すると加治さんのことも否定しなきゃいけないんじゃないかとか、なんか!そういう!いろんなことがごっちゃごちゃになって押し寄せてくる感じ!伝わる?!

で、ここでは冷静に話を終えられるのに、次の会議のときには感情爆発しちゃうんだよな…「今日だけは楢原さんを思って泣きますか!!!」が、加治さんを思って泣かずに仕事した、insiderでショックを押し殺して顔上げたときの表情がフラッシュバックして、めちゃくちゃ泣けてしまった…。仕事するしかないじゃないですか、って、それは加治さんや楢原さんの禊になるわけではなくて、それしかできないっていう辛さもそれだけ大きい仕事してるんだっていう責任感もどっちも含んでると思ってて。前に進むしかない苦しさも、前に進むことでしか乗り越えられないっていう強さも、あの叫びにぎゅっと詰まってて、空気がビリビリ震えるくらいの迫力でそれを突き付けられるの、痺れたな…思い出すとまた泣きそうになる…。詩森さんとの対談で話してた、「経験を生かそうとはしてないけど、本能的に自分の経験としてはずっとある」って言ってたのがこういうところに出てるのかなあ。

 

茂木さんが「新しい金融」の話をするとき、茂木さんですら心がもたなくて薬飲んでた、って話は結構きた。私も金融の末端で働いてたときほんと何も見出せなくてめちゃくちゃ辛くて、わりとやばいとこまでいってたと思うんだけど、それを思い出してしまったよ…いや茂木さんのプレッシャーとは全然違うんだけどwwでも茂木さんレベルですらそうなるんだから私が病んでもそりゃそうだよねっていう話。その経験があるからこそ金融に対していいイメージがなくて、いろいろ売ったところで我々の利益はこの人たちの手数料から出てるんだよな…って日々思ってたのが拭えなくて。けど今回金融の意義というか意味をちゃんと教えてもらった気がして、私のやっていたことにも意味があったんだ!!!とはならないけど、ポジティブな面を知れたのがよかったな。面っていうと違うかな、ポジティブにやっている人もいる、ってわかったことがよかった。社会の中で必要な存在になろう、っていうのは所詮理想論じゃん???て思う自分もいつつ、ちゃんと理想をもってやっている人がいる(のかもしれない)と思えたところが、見てよかったなって一番思ったところ!

加治さんのやったことはまあやったこととしてダメなんだけど、掲げてた理想はそれとは切り離すとダメじゃないし、残った人たちでまたその理想を繋げていく、っていう壮大な夢が、谷川くんのぽろぽろこぼす涙と相まってすごくキレイなものに見えて。スッキリ爽やか!な気持ちにはなれないけど、一歩乗り越えたというか、現実は厳しいけどまあがんばろ…くらいにはなれたのでwっていうか、茂木さんの語りの中で加治さんが現れて加治さんの言葉を噛みしめてるところ、谷川くんだけがしっかり加治さんの方を見据えてて。あれも天才演出だったな…。見たことない原嘉孝だった。

 

 

千秋楽のカテコで栄作さんがよしたかの頭ポンてしてくれて、なんかみんなを代表してポンしてくれた感じがしてちょーーーーーー嬉しかった!!!

月並みですが、楽しかったです。私の知らない演劇がまだまだあるんだなあって思い知らされたし、もっともっといろいろ見たいな!!って気持ちでいっぱい!!また原嘉孝もserialnumberさんに呼んでください!!!!ぜひ!!!!!!どうにか予定合わせて詩森さんの次の作品も見たいなー!

 

 

原嘉孝、これだけの舞台が終わって翌日から次の稽古に入っております…。よかったらみんな見てね。

www.shochiku.co.jp

 

冬にはこちらもあります。

takufes.jp

 

おたくたちと、「じゃあ次は老後で!」「天国で!」って言い合って別れるの楽しかったな。むしろ言いたいだけだったとこもあるwww

 

 

 

「両国花錦闘士」という祝祭と、祭りのあと。

 

エンタメに飢えた数多のおたくたちを狂わせた、両国花錦闘士が終わってしまいました…。大阪公演後くらいから感想ブログ書きてえ~~~って言ってたのに、結局終わったあとになったけど、感想を書きます。

なんでもこじつけたがるおたくの書いたこじつけ主観満載だけど、個人の感想だからそこのところよろしく。あとあんまりストーリーに沿ってない。

 

前回のエントリはこちら

schiiiiio.hatenablog.com

 

 

①昇龍の「影」

ここ、須藤王さんの歌に乗せたわりと軽めのシーンなんだけど、結構重要なところだったんじゃないかなあと思っている。できる父とできる兄たち(母の描写なかったけどどうなんだろう)の中で育ったせいで、家族の中の「異端」な存在になった昇龍。ちい兄さんに本名で呼ばれることを頑なに嫌がってたけど、昇龍という名前でいることで、北山家の異端であることから解放されていたのかなあと。大阪公演まではあんまり感じなかったんだけど、福岡公演になって急に、兄への「劣等感」が前面に出てきていて驚いた。この表現になったことによって、昇龍のキャラクターがより入ってきやすいというか理解しやすくなったような気がする。昇龍として北山家への劣等感を払拭しようとしてたけど、太らないというこだわりは北山宏美のままで認められたいという気持ちの表れのようにも見えるし、結局清史にデータ解析してもらってる時点で北山家から離れられてないじゃん、っていう矛盾も多くて。その矛盾がまた影って感じがした。

名古屋場所に清史が現れて、桜子と近づいて、その2人を見る昇龍の目が、公演を重ねるごとにじわ~っと重苦しい空気を放っていて、昇龍剛士の皮が剥がれていくような、そんな雰囲気がすっごい痛々しくてよかった。

で、料亭前で清史と会って、桜子と付き合うのはやめたほうがいい、と言われるシーン。ここ福岡公演マジでやばかった。「桜子は俺たち2人を天秤にかけてるんだ」って言われて、「じゃあ絶対おれの勝ちじゃないですか」って言い返す時点でもううまく笑えてなくて、虚勢張ってるの丸わかりで痛々しい。そして、「桜子と寝たよ」って言われた瞬間その顔が一気に歪んで、一瞬で全身を劣等感が包むんだよね。←ここ!!!ほんと!!!!!!痛くて苦しくてちょっと泣けるくらいやばい。少なくとも私の見ていた大阪公演までは、寝たよって言われた昇龍は怒りに包まれてたんだよね。それが全然変わってて、ああ影ってこれだったのかなってストンと落ちた。

この影を祓って、最後は光を纏うどころか光そのものになっているのが眩しかった…。

 

 

②「神に選ばれる」ということ

橋谷ちゃんが「なぜ昇龍は太りたくないのか」っていうところを突き詰める過程で、神がじわじわと近付いてきていた…。ラストの取組のときに流れてた荘厳な曲(シャリーンて鈴が鳴るやつね)、他にも2回使われていた。1回目は飛騨乃里(字あってる?)との取組前に、仕切りの解説がされてるとこ。ここで、昇龍のオーラが土俵を守る四神の1人(?)である青龍になっている。もう既に神に愛されてない???

2回目は、「お前は何を美しいと思うのか」と橋谷ちゃんが昇龍に問われるところ。美しくありたい、そして美しいままで強くありたい、という昇龍の信念に触れる。この「美しい」がすごい難しいなと思ったんだけど、未だにちょっとぼやっとしてる。単に痩せた筋肉ばかりの身体、っていうことだけじゃなくて、「一瞬の勝負にすべてを賭ける」相撲へのこだわりと、そのために膨大な鍛錬を重ねることと、一瞬の爆発で神が世界を創ったように一瞬で勝ちを手に入れること、っていう相撲そのものの美しさと自分の美学を重ね合わせたもの?ちょっと何言ってるかよくわかんなくなった。概念って難しい。

で、3回目がラストの取組。うまく言えないんだけど、あの曲がかかると空気が澄んだ感じがするんだよね。だからきっとあのとき神は近くにいて、鈴の音は神の足音だった、と勝手に思っている。(1回目は鈴の音ほとんど聞こえないし)

昇龍は家族に劣等感を抱えていたけど、自分の相撲への美学を認めて愛してくれた桜子が現れたことで、少なからず自信を手に入れた。でも桜子に振り回されることで振り払ったはずの劣等感にまた追い込まれて、自分を見失っていく。最終的に自分の信念のために戦う姿を取り戻せるけどそれは橋谷ちゃんの一押しがあったからで、その橋谷ちゃんからも「五穀豊穣の神は女神よ、結局あなたの相撲は女性に捧げられる」って皮肉を言われて、どこまでも昇龍の周りには昇龍を消費する女たちがいる。

これすごいなーって思ったんだけど、観客として見ている私たちも、昇龍を祝福する女神になり得るんだよね。だって女たちも女神たちも昇龍の中では並列なんだもん。神に選ばれたいから相撲をやっているはずなのに、その神すらも自分を消費する女たちと同等に扱う昇龍マジでめちゃくちゃかっこよくない?!?!?!だから結局、「神に選ばれたい」=「神に選ばれるために相撲をとる」のではなく、自分の美学を追求して強くなって昇り詰めることで、「神に俺を選ばせてやる」ってことなんだよね…。神にすら媚びない、俺が俺である故に神も俺を選ばざるを得ない、っていう状況を作り出している。そんなもん眩しくて眠れるわけあるか?!?!?!?!マジでめちゃくちゃかっこよくない?!?!?!

「見てろ桜子。見てろ女たち女神たち。夜も光るほど艶やかになって、お前らを眠れなくさせてやる。」この、「夜も光るほど艶やかになって、」のあと昇龍が目を瞑って、瞼を開いて笑った瞬間、ほんとにぶわーーーって光るの!!!!!あの間の取り方は天才の所業だった…。かっこいい!!!眠れない!!!かっこいい!!!!!!って帰るとき毎回言ってた。

しかもその取組の結果がどうなったかわからないんだよ…でもまあ勝ってても負けてても、まだ神に選ばれる道中なんだと思う…だけどこの先必ず神が昇龍を選ぶ瞬間が来る。そう思えるラストシーンでした!最高!!!!

 

 

③昇龍とは異質と見せかけて同質性ももつ雪乃童

とにかく愛されたい雪ちゃん。子供のころいじめられてたことも関係してるのかな?応援されると頑張れて、応援されてないと思うと頑張れない単純なところ、ひたすらおたく心をくすぐられる。だけど本当に応援してほしいさやかお嬢様には全然相手にされず、むしろデブだからって嫌われる雪ちゃん、切ない…。「神にも媚びない」昇龍とは体型も含めて正反対の力士として描かれてるけど、だんだんそれが変わっていくのが雪ちゃんの魅力だよねーーーーー。2幕で歌うとこ、ここではまだ「僕は僕を応援してくれている人のために自分の相撲をとります」って言ってる。誰かのための相撲じゃなくなるのは、憧れのさやかお嬢様が梅太郎と付き合いだしたときで。っていうか、さやかお嬢様に認めてほしくて頑張ってたところがある、っていうのが、もう全てっていうか。お嬢様のことは振り向いてもらえなくてもずっと好きでいられたんだよね。その「ただ好きでいる」っていう純粋な気持ちを相撲にも向けられるようになったことで初めて「自分の相撲をとる」ところに辿り着いた。お嬢様は結局最後まで振り向いてくれなかったけど、雪ちゃんが頑張る姿を見てお嬢様も変わって、その頑張る姿があるからこそ応援されるっていう、卵が先か鶏が先かみたいな話だけどw

自分の相撲をとる、千秋楽まで全部勝つ、だから応援してください、っていう応援ありきではない姿勢で、「自分のために戦う」と決めて、そしたら横綱にも勝てちゃうんだよね。雪ちゃんかっこいい…。そして迎える昇龍との一戦、二人とも「自分のために戦う」っていう文字通り「同じ土俵で戦う」ラストシーン。だから昇龍と雪乃童は真逆なんだけど同じなんだよね。このストーリーにおいて圧倒的主役の昇龍がいても、雪ちゃんのことも大好きで応援したいって思う人が多かったのはこういうところもあるのかなって。はーーーースー女になって雪ちゃんのおたくやりてえ~~~~~。

 

 

④エンターテインメントを消費する全おたくの代弁者、桜子

桜子が、欲望に忠実であれ!!!!!!とクソデカ大声で言い続けてくれたから、おたくは勇気をもらったよね…。ステージ上からその姿勢を肯定してくれるって、心強さしかない。なんかこう、金に物言わせる最前ガッツみたいなスタンスで昇龍のこと追いかけてるのに、めちゃくちゃ乙女だから愛さざるを得ない桜子様…。明治座公演ではそうでもなかったのに、公演が進むにつれて乙女度爆上がりでたまらなかった。ていうか、りょうさんてこういう役の作り上げ方するんだ?!?!っていう驚き。桜子のキャラクターがいい意味でぜんぜん安定しなくて、いつ見ても新鮮に昇龍のこと大好きで、多ステおたくの「今日の自担にまた担降り!!!!!」みたいな雰囲気を感じたよ。あの水色のスーツ超かっこよくて大好きだったんだけど、最初に桜子が歌うとこ、斑な青い照明がぐるぐる渦巻いて、それが男たちを取り込む渦のようで、その渦の中心に構える桜子様のオーラが最高に痺れた…。

繰り返しになるけど、あそこまで先頭切って昇龍を追いかけて振り回した桜子ですら、消費者の一員として神や女たちと並列になっていたのも最高だった。おたくは所詮おたくであって、皆並列なのである…。それでもそれぞれに必死に愛する男を追いかける姿は美しいよね!!!!!!!

 

 

入江甚儀くん

唐突に入江くんの話wwwいやなんか、トオル兄さんえっち!!!かっこいい抱いて!!!!とか言ってたら、一周回って最終的には「じんぎりあこ~~~~~~><」ってなってた。ので、入江くんについて書く。

まずさやかお嬢様のうさんくさいIT彼氏トオル。めちゃくちゃきもいのにどこかピュアさを感じさせる不思議な男トオル…。さやかママにお金借りに行って「いいんすか…??」のとこ、最初の方は100万もらえるのラッキー!て感じのずる賢い雰囲気あったのに、だんだん切実さ増してきて、なんだか悲しくなってしまった…実は本当にさやかお嬢様のこと好きになっていたとかだったらいいな。という願望。

純潔(でいいのかな?)のトシアキ(28)。13でスカウトされて14年たってようやくデビューにこぎつけたってことは桜子の「ポチ」ではなかったのかなあ。ローラースケートがいつでもおぼつかなくてかわいかったw取り分上げてくれってだだこねるとこ、イライラする手の動き速すぎてそれだけでおもろかったトシアキ…桜子の寵愛をもう一度(以前に受けてたかは不明だけど)受けたくて暴走しちゃうの愛しいし、後ろから羽交い絞めにされたとき結構な割合で第3ボタンだけとれちゃってたの愛しかった。純潔のおたくとしてトシアキのファンサもらいてえ~~~~~って何回も思ったよ…

怪我ノ山。おしりがかわいい。雪ちゃんとの取組で負けて退場してくとき、怪我ノ山の名前に忠実っていうか、足引きずりながら捌けてくのがめちゃくちゃ遅くて切なくて毎回爆笑してたwwwここだけかと思いきや、昇龍に勝ったあとも土俵から降りたら足引きずって同じ速度なのwww芸が細かすぎwwwwwこういうちょっとした設定にすごく忠実なの推せる。

トオル兄さん。トオル兄さんめちゃくちゃセクシーじゃなかったですか?!?!?!?!

途中から、須藤王のshadowの曲のときずっっっっっっとトオル兄さん見てた。(自担ステージにおる)まず舌出しポーズが最高。舌長い。腕も長い。蛇に見立てた腕をなでなでしてるんだけど、その蛇がエクスタシーーーって感じで震えててまじ!超!官能的なの!!!!!!!たまらん!!!!!!!!!あと、捌け際もうライトついてないのに蛇(腕)だけステージに残ってて、それをヒュッて引いて捌けきるのも芸細かすぎてどうしても見ちゃうよね…。あの蛇、旗振り前の曲のとき目がハートになってんのみんな知ってた?!?!?!トオル兄さんもなんやかんや桜子のこと好きだったのに、それがただのつまみ食いで、「最後はあなただけよ」って桜子が昇龍に歌うとトオル兄さんショック受けてんだよ…なんなのピュアなの????????人間に興味あんのかよ!!!私にもチャンスあんじゃん!!!!てその後トオル兄さんを追いかけたい人生だった。

 

 

 

はーーーーー書きたかったこと全部書けた。

そうこうしているうちに両国花錦闘士52公演完走してた。おめでとう!ごっちゃんです!!当初はそもそも幕が開くこともないのかも、と思っていたのに、気付けば幕が下りるところまで来てしまいました。スタッフも含めて102名も関係者がいたのに、1人も欠けることなく走り切れたのは本当に奇跡的だし、演劇の神様が守ってくれたんだと思っている。こんなに笑える舞台なのに毎回信じられないくらい泣いて、最後の方はもうオープニングから泣いてw、もはや何に涙してるのかもよくわからなくなったけど、ステージ上から伝わる熱を受けて毎回心震わせていました。私たちがカンパニーを愛するよりもっと、カンパニー自身がカンパニーのことを愛していて、その愛を一身に受けてカーテンコールで真ん中に立つ原嘉孝を見れて誇らしく、幸せでした。

原嘉孝の舞台を見ていると、こんなに楽しいことって今後あるのか?!って思うことが多いんだけど、今回も思っているけどwたぶん、いや絶対これから先ももっともっと楽しいことが待っているはずなので、みんなまた現場で会おうな!!!!!!!!!

なんと原嘉孝、もう次の現場来週から始まります。

re-trial.jp

 

化け物か?????

そしてなんと、これが2月28日で終わったと思ったらまたその次が始まります。

www.stagegate.jp

 

シンプルにやばい。

え、これが昇龍やってた人??????ってなるくらい全然別物の原嘉孝が見れることをお約束します!!!みんな見に来てね!!!!!!!

 

 

両国花錦闘士を見ずに死んでいく人ばかりなんてこの世の損失でしかないので、いつか再演できることを願って長生きしたい所存。

いつか死んだら葬式でおしゃりきの主題歌流してみんなで棺桶の周りで踊り狂って送り出してほしい。棺の中には私のよしたか団扇とおしゃりきのパンフレットを入れてください。これは遺言です。

 

楽しかったーーーーーー!!!!!!!!!!!!!ごっちゃんでした!!!!!!!

 

 

 

 

 

そういえば、何気なくツイートした「3時間ずっとマツケンサンバ」がじわじわ広がってて、「ほんとにマツケンサンバだった!」て感想時々見かけたの面白かったw

 

 

全人類、両国花錦闘士を見てほしい。

 

タイトルの通りです。

 

www.ryogoku-oshare-rikishi.com

 

まだまだチケットとれるし、当日券もあるよ。先にチケットのお知らせ。

 

東京公演(~12月23日)

www.meijiza.co.jp

 

大阪公演(2021年1月5日~13日)

www.shinkabukiza.co.jp

 

福岡公演(2021年1月17日~28日)

www.hakataza.co.jp

 

 

ネタバレなしで書きたかったんだけど、無理そうなのでネタバレありです。

なぜ見てほしいのか?という理由を身も蓋もなく言うと、担当が主演だからです。担当が主演じゃなくても素晴らしい舞台だから、みんな見て!とはなるんだけど、この舞台の主演が担当、という意味はとても大きい。

なお、はてブロというものをはじめて書いているので、読みにくくても許してください。自分のための記録、いつか死ぬときにこの期間の記憶を鮮明に思い出したい、というつもりで書く。

 

一体何がこんなに熱狂させるのか?というと、なんだかよくわからない

いきなりまわし姿の男と美女たちが踊りまくる祭りが始まって、クラブに行って踊って、なんやかんや相撲をとって、様々な恋模様?があったりして、またまわし姿の男と美女たちが踊りまくる祭りで終わります。(ざっくり)

なのにラストシーンは激エモ大爆発で、エンディングはそのまま泣きながら手拍子しまくって、ぐったりしながら電車に揺られて帰ることになります。

2020年未曾有の感染病に世界が震撼させられて、エンタメは停止して、たくさんの現場が消えて、そんな鬱々とした気持ちを抱えた人は本当に心から、劇場に来てほしい。

私たちの欲していたエンターテインメントがそこにあるよ!!!!!!!!!!!!

ひたすらエネルギーに満ち溢れた幸せな空間が広がってるから!!!!!!!!!

 

とにかく、オープニングがめっちゃ愉快。好角家として有名なデーモン閣下が作ってくださった主題歌なんだけど、歌詞に連動した振り付けがとにかく楽しい。

「鬼」って歌詞で全員が鬼瓦(©オードリー春日)してるのおもろすぎない?????

ここが一番お気に入り。オープニングだけで定価分回収できます。

もちろん原嘉孝のダンス最高なんだけど、大原櫻子のバッキバキダンス超かっこいいからみんな見てほしい。先日の観劇で、櫻子のダンスのエネルギーに中てられてちょっと泣いた。

 

 

・昇龍のこと(@原嘉孝

デブ嫌いを公言している力士で、自分の肉体が大好き。ほかの力士に噛みつきまくるちょっといけすかないやつ。と思いきや、純粋に相撲を愛し、自分の美学の下で努力を重ねて昇り詰めていく人、という印象。

本当に超美しい

相撲のことはよくわからないけど、素人目で見てもひとつひとつ丁寧な所作が美しい。

作りこまれた筋肉と、その身体が汗で光る様が美しい。

ひたすら上を目指す、眼光の鋭さが美しい。

その鋭い眼光を放つ茶色の瞳が美しい。

暗闇の中で上からライトで照らされたときの身体の印影が美しい。

今まで原嘉孝のことを「美しい」と思ったことはほとんどなかったんだけど、今回は役柄も相まって、この人、美の化身では……?????と真顔で思うくらいには美しい。

(あと尻がめっちゃきれい)

「俺 is Beautiful~~~」って歌いながら浴衣を脱ぎだした瞬間、「誰より一番きれい!!!!!!!!」って叫びたくなる。(次のフレーズがそういう歌詞)曲終わりで持ち上げられてポーズとった瞬間は、もう芸術品よ。最高。

あと、あのりょう様を抱く

こんな最高なことあるか?????いや、ない。って思わず反語になるくらいには最高。しかもベッドシーン(とあえて言わせてほしい)では周りで力士たちが囲んで芸術的な演出をしてくれる。このときの力士たちの表情もそれぞれ違ってめちゃくちゃ面白いし、一体何を見せられてるんだ?っていう混乱と、わけわかんなすぎて爆笑しちゃうのと、だけど超高まって萌え狂うのと、いろいろ合わさって大興奮していると一幕が終わる。最高。こんな最高な一幕の終わりを見たことがない…。休憩アナウンス入ってもしばらく呆然としちゃう。

 

昇龍は最後まで「鍛え上げられた肉体で勝つ」ことを信条として戦い続けるんだけど、結局のところ太れない体質で、だから「鍛え上げられた肉体で勝つ」ことは致し方ない選択でもあるわけだけど。だけどその信条の下で勝ちを重ねていく様と、ストーリー上では描かれないこれから先の未来もそのまま突き進んでいくんだろうと思える姿がとてつもなくかっこよくて。太れなくても、神様に愛されて、その祝福を受けて昇り詰めていくその道がラストシーンに光の道として表されていて、勝利の女神の神殿への道が開かれるわけですよ。神と繋がった瞬間っていうか。そういうものが見えて、鳥肌が止まらなくなる。おい白デブ、と馬鹿にしてたライバルの雪乃童との一戦が、その光の道を踏み出す第一歩だなんて、エモすぎません???????涙なしでは見れない。雪乃童のことも、関わりを重ねていくうちにただの鬱陶しいデブという枠がなくなって、頂点を目指すために越えるべき存在になっていくのも最高。それぞれ思いは違うけど、それぞれの思いを抱えて迎えた魂と魂のぶつかり合い。最高。あとで書くけど雪乃童のことも大好きすぎるから、結果がわからないまま終わるラストに震えが止まらなかった。

原嘉孝の演技は、とにかく表情を余すことなく見てほしい。いや、仕草も見てほしいけど。一挙手一投足すべてに無駄がなくて、すべての表情や動きに意味があって、気を抜く瞬間が一瞬たりともない。今何を考えているのか、セリフがない部分もひとつひとつ全部にモノローグをつけながら見れると思う。これが私の担当だぞ!!!すごいだろ!!!?!!?!?!と大声で叫びまわりたいくらいすごいの!!!!!!!「役が憑依している」わけではなくて、これ以上にないくらい自然に、昇龍がそこにはいる。これ見た人には伝わると思うんだけど、どうですかね。おたくの欲目じゃないと信じたいんだけど…

 

 

・雪乃童のこと(@大鶴佐助

ゆきちゃーーーーん!!!!!がんばってーーーーーー!!!!!

もし私が相撲のおたくだったら、ぜったいゆきちゃんが担当。

とてもわかりやすく、周囲の応援(特に女子からの)が力になる人。もしかしなくても、私はゆきちゃんのパワーになる若い女子の枠に入らない…というのが少し悲しくなるくらいにはゆきちゃんが好き!!!!!!!!

自分の部屋の親方の娘に恋をしていて、だけどその思いは伝えられなくて、恋が破れたときに初めて思いを伝えることができる。「好かれること」ではなく、「好きでいること」が力になると気付いたからかなあ…と勝手に思っている。

笑顔がかわいい気弱なゆきちゃんが覚悟を決めた顔、本当に震えるほどかっこいい。「残りの取組全部勝ちます」って宣言してからの昇龍との取組、痺れる。

 

 

・橋谷ちゃんのこと(@大原櫻子

相変わらず歌唱力おばけ。体全体がスピーカーなのか???っていう声量。それでいて、踊りながらでも声がぶれない。全部の歌詞が明瞭。しかも歌いながらのちょっとした仕草とか表情が超かわいい。演技もそうだけど、とにかく毎回櫻子の技術に殺される。

デブが嫌いで相撲記者であることに全く喜びを感じていないのに、嫌いなものほど調べてしまう性格が仇となって?結局は相撲の世界にのめり込んで行き、最後はまるで橋谷ちゃん自身が「女神」のような存在として神々しく手刀を切る姿、痺れる。

 

 

・桜子のこと(@りょう)

存在が痺れる。

もうほんとこの一言ですべての説明が済むくらい、美しく恐ろしく、全エンターテインメントを愛する女たちを全肯定してくれる神。エロの権化。りょう様の赤リップに魂抜かれた。様々な男たちを愛し愛された屈強な女なのに、昇龍の話をするときは乙女のようになる桜子様…かわいいよ桜子様…

ベッドシーンで服脱いでキャミソール姿になるんだけど、肩と鎖骨から胸にかけてのラインがエロすぎて興奮が止まらない。性別を超えて人類にエロスを無限に提供してくれる存在。生まれ変わったらりょう様になりたい。

 

 

 

・好きなシーン①清史(@木村了)と昇龍のやりとり

おにいちゃんの喋り方、何回見ても声出して笑っちゃう。おにいちゃんが面白いから、昇龍の顔芸いらなくない????ってなる。「とぅらーい」は流行語大賞

 

・好きなシーン②アイーダ

突然の良質な東宝ミュージカル!!!!!!!!声の伸びが素晴らしいし、巻き舌気持ち良すぎる。なのに頭の中は木魚くらいスッカスカ。

そのあとラダメスの歌に合わせて突然力士たちが出てきて桜子様の周りを踊りだすの、あまりにもカオス。高笑いの桜子様に向かって塩巻きまくる演出が大好きすぎて一生笑う。技術×美×シュールを突然見せつけられると脳はバグる。みんな脳バグらせにきてほしい。

 

・好きなシーン③クラブ1990

梅ちゃん超かっこいい!!!!!!!りあこ!!!!!!!!!!!!!!

梅太郎関のダンスかっこよすぎて意味がわからない。拳振り上げたいし叫びだしたくなる。ダンスうまいのはもちろんなんだけど、踊ってる時の表情も超かっこいいの!!!ゆきちゃん担になるか梅ちゃん担になるか、最後まで悩んだよ…

違うシーンだけど、春は荒れる~♪のダンスもキレキレで笑顔もso cuteでたまらない。梅ちゃんのダンスもっと見たい。なのに栃木県出身で北関東訛りゴリゴリなのも好きポイント。

 

・好きなシーン④デブが大好物なおかみさん

紺野美沙子さんまじでかわいくない?!?!?!「お父さん痩せちゃって悲しい、太ったままで健康でいてほしかった」っていうとこが一番かわいい。

 

・好きなシーン⑤ゆきちゃんのファンサ

上手にお手振りしまくるところがあるんだけど、お手振りチャンスある席に入ったとき、恥ずかしくて全然手を振れない自分がいた…あれ私自担にしゃしゃれないタイプだったっけ…??上手前列に入った方はぜひゆきちゃんにしゃしゃってください。私にはもうチャンスがない。

 

・好きなシーン⑥2幕頭のTKワールド

力士たちが横一列に並んで前に歩いてくるだけで泣きそうになる。壮観の極み。拳突き出して横揺れする振付かっこよすぎて一生見れるしこの曲で団扇振りたい。櫻子の歌声の気持ちよさが一番堪能できる曲かなあ。

 

・好きなシーン⑦先輩との取組

あの豹の人の名前なんだっけ?!忘れちゃった、だれか教えて。

昇龍が後ろ向いて肩ぐいぐい回すときの肩甲骨の動き見て。ナンバーワン肩甲骨だから!!!!!!

 

・好きなシーン⑧ラストの取組

それまでずっと笑ってたのに、急にピーンと緊張感が張り詰めて、舞台上も客席も、固唾を飲んで見守る空気がとても神聖で、ぐっと気温が下がった感じになる。なのに立ち会った瞬間一気に熱を帯びて、あの熱気はたぶんその場にいないと伝わらない。魂と魂のぶつかり合い。取り直しになってほっとしたような気持ちと、高揚感と、このまま終わらないでくれと願う気持ちと、どちらがというわけではないのにどうか勝ってくれという気持ちと、いろんな感情がブワーーーーーッと湧き上がってきて、人は選べない感情が溢れて止まらないと、涙も止まらなくなる。行ったこともない土俵の匂い、実際にはいない観客の熱狂をまるでそこにいるかのように感じられて、その瞬間に演劇の観客ではなく相撲の観客の一部としてそこにいるみたいな感覚になる。息の音さえもさせられない緊張感の中で、自然と祈るみたいに手を握って、これが神事か…

 

 

で、涙腺ぶっ壊れた状態でエンディングの祭りが始まると、その熱狂のまま泣きながら手のひら砕けそうなくらい手拍子しまくることになる。これぞ祭り。この祭りを体験しないまま死んでいく人ばかりなんてあまりにもったいない。

みんな見よう???????????????????

とにかく元気になるし、終わったあと劇場を見て冷たい空気の中歩くと、なんとも言えない満足感でいっぱいで、心の中の今まで埋まったことのない部分が満たされた気持ちになるよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは自分語りだけど。

今までいろんな原嘉孝を見てきて、先輩のバックでしか踊ったことなくて内部の舞台しかでたことない(役名なんてもちろんない、セリフもない)ときから、外部舞台にいつか出られる、スターになれると思っていて。初めて一言セリフをもらった2012年DREAMBOYSのときは下手だったけどそのころから表情は抜群で。初めて殺陣を経験した2013年滝沢演舞城では、目の動き、仕草からキャラクター設定がはっきり感じられて、これやっぱいけるよな???と思って。

2014年Vamp!Bamboo!Burn!と2017年髑髏城の七人を見た私は、絶対に劇団☆新感線の舞台に出てほしいと思っていた。(ちなみどちらも円盤購入したくらい好き)

そしたら2018年メタルマクベスdisc2の出演を勝ち取り、それはもう夢のような気持ちで、初日「明けない夜はSo long」を見て曲終わりに友達の手を握り締めて泣いたことは一生忘れないけど。

でも、いつでも夢を見させてくれる原嘉孝は、それをどんどん現実にしていくと同時に、それが夢ではなくあるべき現実だとすぐに地に足をつけさせてくれる。そしてまた新たな夢を見せてくれて、それを現実に変えてくれる。どんな夢でも見ていいんだと自信をもって思わせてくれるその姿が昇龍の最後のセリフと重なって、でもそれは現実で、見ている私たちに生きている実感をくれる。一生板の上にいてくれるんだと思ったら、今はまだ最初の一歩くらいのもんで、折り返しにすらまだまだ遠い。

 

だからみんな、これからも一緒に夢と現実の無限ループしませんか???????

 

単なる観客である私は、与えてもらったものを返すことができるとは思っていない。与えてもらったものをただ楽しみ消費することだけで十分だと思っている。原嘉孝が引退するその日まで健康に生きられるように、慎ましく生きていきます…。

たくさんの夢と現実と、原嘉孝のおかげで出会えた大好きな友人たちに感謝をこめて。